NPO法人日本モンゴル親善協会
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 動植物
 

◆全般
草原地帯には、レイヨウ、サイガ、ノウサギ、キツネ、オオカミ、アナグマなどの哺乳類が生息しています。
ゴビには、コウジョウセンガゼル、サイガなどのほか、ロバ、ラクダの野生種、グマ、ユキヒョウなど野生動物の宝庫であり、 中にはアイベックス(野生ヤギ)、ビッグホーン(オオツノヒツジ)など貴重種なども生息していて、運がよければ見ることができます。
草原の国モンゴルには、植物も豊富に生息しています。
草花類ではキク科、マメ科、アブラナ科、バラ科などが、樹木類ではシラカバ、マツなどが多く見られます。
なかでもキク科のエーデルワイスはモンゴルの至る所で見られ、丘全体が真っ白いエーデルワイスで覆われている所もあります。
植物の種類が豊富なだけに、食用が200種以上、薬草が500種以上、牧草が1000種以上と、 多くの植物が人間や家畜のために有効に活用されています。





「イトウ(魚偏に鬼と書く)」「本鱒(ホンマス)」「虹鱒(ニジマス)」「カワカマス」「ウグイ」が、そこそこの腕とやる気さえあれば!! 案外簡単に釣れますよ!! 必ず!!。

モンゴルは草原の国と呼ばれております。皆さんがよくお聞きになるモンゴルをイメージする言葉はとお聞きすると「ジンギスカン」(本当はチンギスハーン)「草の海」、「ゴビ砂漠」「恐竜の化石の出土する山脈」「寒い冬」河川につながる言葉も少なく川など無いと思っている方が多いのに驚きます。
知らない人にはモンゴルで魚とか釣りといってもピンときません。ではまずモンゴルの気候のことを聞いてください。

気候的には中央アジアの草原遊牧の高原の国冬はあくまで厳しく寒い、空気は澄んでいるが平均の標高は1300メートルなので、なれない人が階段や急坂を上ったりすると息切れがしたり心臓がパクパクして、あれっと驚くことがあります。酸素が平地より大分少ないのです。その代わり慣れれば心臓は確かに丈夫になります。モンゴル人の動作がたいていゆったりとしていて、無理をしたりやたらに走らないのは、そのためかもしれません。海から離れた大陸性の気候なので空気は、乾燥していて雨は年に300〜500ミリ程度。日本なら大型台風が降らす雨の降雨量。南のゴビは「土漠」と言って乾燥がひどいので砂丘が広がり、草原にならず所々に背丈の低い潅木やちょろちょろした雑草しか生えないまさに不毛の大地。懸命に僅かな草を探すラクダや羊など家畜が少し哀れですが、それが運命、自然との共存と割り切って人々は割合平気に暮らしています。

でもさすがにこの一体には川も湖も見当たりませんが地下100メートルも掘り進むと豊かな水脈が縦横に走っており遠く中央と北の山地から地表を潜って来るのですから何とかこれを将来地上に導けばこの惨めな土獏/砂漠一面に緑が覆い尽くす日々を夢みるモンゴル人がたくさんおります。

魚釣りですが、冬の長いモンゴルでは水温む夏は短く7月から9月の3ヶ月ごろまで夏に北の釣り場でウエーダを履いて腰まで川に立ちこんで足の裏で探りながら竿を振りながら移動しているとこんこんと湧き出る伏流水(清冽な雪解け水が湧き出ているの)によく出会います。渦巻いて砂を巻き上げる様は、ひょっとしてかなりの大物がいるかなと経験の少ない釣師は錯覚します。大物はもっと水中深く用心深く時がいたるのをじっとじっと待っているのです。実は水も豊かな国なのではと思います。しかしこんなモンゴルにも、中央から北に行くと、河も川も池も湖も日本に負けないほどあちらこちらに沢山それもかなり大きくて驚きます。何しろ国土の広さは日本の4倍もあるのですから。


この魚拓をご覧ください。95センチ。推定6歳ぐらい、立派でしょう 見事な姿です。(魚拓写真は現在準備中です)
川魚の中でも超大型に育つ肉食魚の一種。鮭科の属する魚ですが岩魚と鮭の中間種顔つきロシア語で「タイメン」。別名「陸封された鮭」といわれ、幼魚期は昆虫、成長期は小魚、その後は蛋白質カルシウム系の主食にするのでネズミ、蛇、信じられないが中には鋭い歯と顎で小鴨や子羊まで餌にすると聞いています。

11月結氷が始まり季節が変わり水温が下がるにつれ耐えられる水温域を求めてときには千キロ以上も移動し厳冬を耐え忍び草原が花の群落で溢れる6月頃には生まれ育った川を溯って来ます。若いイトウは結氷凍結を逃れ、餌と最適な水温を求めて移動しますが10年を超える大物はあまり移動をしないで深みにじっと潜んで鱒などを捕食しながら春を待ちます。平均の寿命は5〜8年、体長は30−100センチにもなります。これが大物クラスですが記録では2メートルにもなるそうでネズミ、蛇、信じられないが中には鋭い歯と尾鰭で浮遊する小鴨や渡河中の子羊まで餌食にすると聞いています。まさに川の鬼です。

釣り方:季節によって釣り方は少し変わりますが基本的にはマグロやヒラマサや鰤など海の大物狙いの大型のルアーを使います。鯖のイメージのルアーでも一度成功し味をしめています。モンゴル人に教えてもらった代表的なやり方は、ネズミの形をした12センチぐらいの軽い発砲スチロール等の塊に、野リスの皮をかぶせた手作りのルアーで川の水面を水音高く遠投して深みに潜む大物に誘いをかけます。水音でまず反応し水面を泳ぎ渡るネズミのルアーに体当たりをするように襲いかかるのでルアーは噛み砕かれそのまま深みに逃げ込むか一気に岸から遠ざかって行きます。それからが忍耐と根気でやり取りが始まりです。小さめの金属ルアー(スプーン)で鱒をさそっている時にもイトウが来ます。但し大概は小物30センチ以下です。竿は確か大和精工のカーボンの2本つなぎで180センチを使いました。リールはシマノの大型のスピニング。ラインは5号を200メートル巻いてあります。

非常に警戒心の強い魚で、小物でもイトウは掛かっても人影が視野に入るととたんに大暴れして尾でラインを切って逃げるので針掛かり(ゲット)したからと言ってまだ勝ちではないのがイトウ釣りの特徴です。掛かったら50センチ程度の小物(いとうの場合これでも小物扱い)ならそのまま浅瀬に引き揚げますが、大物を掛けたらそれこそ大事に慎重にドラグを緩めたり締めたりラインの出し入れのこまめの忙しく対応し、50メートルから時には水中を100メートルも走ります。その度につり人は足場の必ずしも良くない川沿いの土手や石のごろごろした川原を小走りに行ったり停まったりまた来たり。およそ30分以上時には一時間もお互いの相手の呼吸を計るように体力と忍耐力の勝負になります。鋭い尾鰭でラインを切られたことは数知れずでヒットからゲットへの確立は精々10%ぐらいです。

今でも古式豊かに馬を使って浅瀬に追い込んで捉える漁法があります。それほど過っては魚影が濃い時代でした。魚大好きなロシア人が乱獲して一時は絶滅かという危機になりましたがようやく禁漁期など決めて保護するようになって回復の兆しが見えています。モンゴル人はキャッチアンドリリースは偽善だと嫌いますが出来るだけ必要以上には釣るな、小物はリリースせよと指導したら、割合素直に分かってくれて実行しています。イトウの産卵期の5−6月末は禁漁期ですので要注意。

夏に北の釣り場で川に立ちこんで釣って移動しているとこんこんと湧き出る伏流水(清冽な雪解け水が湧き出ているの)によく出会います。渦巻いて砂を巻き上げる様は、ひょっとしてかなりの大物がいるかなと経験の少ない釣師は錯覚します。大物はもっと水中深く用心深く時がいたるのをじっとじっと待っているのです。こんな時にはふと、実は水も豊かな国なのかなと思ったりしています。ウランバートル自然科学博物館にはイトウの標本として2メートルものがガラスケースの中に陳列されています。

釣り場 は北のフブスグル湖(透明度はおそらくバイカル湖を抜いて世界一)から国境を越えてシベリアの大河エニセイに流れるテンギス川が凄い。産卵に川を押し合い重なり合いながら遡る様は6月に見ることが出来るそうです。同じ湖から南東に流れ出すエギ−ンゴルはセレンゲと名前を変えてバイカル湖へ注ぐ国際河川。イトウの釣り場としてはご存知の方も多い川です。合流点では水力発電所のダムが作られると計画されたのが15年まえのこと。まだ完成していないところがいかにもモンゴル。キャンプには素晴らしいウランバートルから行ける距離。ダムサイトは急流で川幅は30メートル中心部は5メートルの深さ(推定)両側から山が迫ってきている夏の野営が楽しい場所。つり師の立場から言えば当然ダム建設にはいくら魚道を作ると言われても賛成できないです。

その水源の上流のフブスグル湖もいい釣り場です。荒野のつり師 開高健がモンゴルのイトウについてもオーパの中で詳しく書いていますが、89年にヘリで釣りと取材に入って一ヶ月がんばって95センチを2匹あげたのは首都から500キロ西のチョロート川。深い渓谷の曲がりくねったゴロゴロ石の川。曲がり角の淀みが狙い目。一ヶ月かかったのは雨季で濁りが続いて理想の笹濁りを一月待ったため。8月は雨季で明日はキャンプを撤収と言う29日目にようやくその笹にごりが始まった。一匹目をゲット!!必ずそばに連れがいると確信していた開高は約10分後に2匹目を。サイズを確認いずれも95センチの牡牝の番。一行10人の釣り人たちは釣り上げた瞬間冗談でなく男泣きしたという秘話も。尺寸終わってすばやくモンゴル語で再会を願う言葉「バヤルタイ」と共に浅瀬にそっと水をかけながら、労わりながら,ひたむきな頑張りに心から尊敬しながら、リリースしたそうです。この川は見逃せないポイントです。刺身をトライしましたが絶品!!塩焼きがまた最高!!

真っ暗で静かな新月の夜がイトウには最高というモンゴル人がいますが、昼間でも場所によっては、メートル超級の大物がヒットします。110センチの魚拓はいずれも昼にチョロートで釣り上げた獲物。大勢のモンゴル人の友人が目撃者のサインをしてくれました。その中には横綱バットエルデネの署名が一番上にあります。


英国人の電話技術者の方がしきりにフライフィッシングをやりたがっていて夏のある日首都から東へ100キロのヘルレン河にフライの竿(がないのでキスつり船用の長い柔らかい代用竿)を振りに一緒に弁当を持参して試し釣に行ったことがありました。ご存知のフライの釣りはカゲロウや羽虫が飛ぶ季節に限られた、言わばいささか英国貴族が好む(?)拘りの上品な(?)釣りですがモンゴルには一寸馴染まないような印象でした。モンゴルの鱒は浮いた擬似餌にはその日は全く反応しません。イクラの粒を針に刺して流してみたら中サイズがヒットしました。フライは一寸研究が必要です。幼魚なら来るとおもいます。
鱒の釣りはスプーンとルアーで正に色とりどりサイズとりどり。消耗品として安いのを沢山使います。高いのをなくしたり壊したりすると釣り師(特に貧乏な釣り人)は落ち込みます。スピナーという尻尾に回転する羽根車のついているのが有効なときが何度かありました。珍しい動きには反応が良いようです。夕方には赤とか朝なら金色とかその日のよって当たりルアーは同じではないのです。釣れた人に聞くかこっそり横目で見てノウハウを盗むのも面白い釣りの楽しみです。ルアーケースの中にかなりの投資をして自慢のコレクションが色とりどり綺麗に並んでいますが、あっという間に減ってゆきます。大物が食いちぎって行くのもありますが、悲しいかな流木や石に絡んで無くなります。ラインは5号直径0.45ミリの柔らかい沖釣り用テトロン糸を使います。平均で30メートル遠投するにはこれが良いようです。ロシア人が使っているのは絶対に切れないこの倍の太さの硬い糸なので、遠投は利きません。彼らは遠くには投げずに、餌をつけて延縄のようポイント
に浮かせたり、ポイントに近寄って、淀みや深い石の影に仕掛けを放り込む釣りかたを主にやっています。遠投はルアーやスプーンの重さとラインの柔らかさとで最大100メートル平均で岸から50メートルも仕掛けを飛ばせばOK です。

エギーンゴル、ケルレン(ヘルレンとも発音)、トール、オルホン、チョロート等の川に良い鱒釣り場が点在します。11月頃は越冬のため鱒は餌を荒食いするのでルアーを追い回します。水温が低く釣り難い季節ですがしっかり冬支度して遠征します。もっと寒くなる1月から3月は腹に卵を抱えた鱒が越冬しますが30センチ以上の厚い氷に直径10センチの穴をドリルで開けて釣る冬の鱒漁は外道にナマズやウグイも来ますがモンゴルらしい楽しい釣りです。穴のサイズがギリギリ位の丸々太った30センチ以上の鱒が氷の下から氷上に出たとたん20秒ぐらいで急速冷凍。釣り人達は穴の脇でじゃんじゃん燃える焚き火に当たりながら、アルコール40度の「モンゴルアルヒ」を舐めながら。あとで魚は唐揚げにしようか塩焼きが良いなど考えながら。


シューカとロシア語で呼ばれるこの魚は川よりも湖や池に棲んでいて好奇心が強くルアーにも活発に反応して引きも強くゲームフイッシュとしては最高に面白い。浅瀬に立ちこんで20メートルも投げれば水音にも敏感で、やがて寄ってきます。ウランバートルから西南に250キロメートルのオギノール湖はシューカの魚影が非常に濃いので有名です。形はカマス特有の鋭い歯がワニのように並んでいて平べったく海の魚に似たのがいないかと思ったら鯒(コチ)がいました。大鯒(オオコチ)がそっくりです。何時もは水の底に腹ばいになって待つか地面すれすれに獲物を探してゆっくり泳ぐかですが、大物の場合は掛かると一瞬地球を釣り上げたかと思うぐらいずっしりと重く微動だにしません。ぐいと引くとググと反応しすぐに走り出します。それからのやり取りははイトウの場合と同じくラインを伸ばしたり引いたり。格闘して釣り上げた獲物をリリースすることが多いのですが魚大好きロシア人たちは「ムニエル」に最高といって持ち帰り塩コショウでバタ焼き、おかずにします。一寸癖のある食味です。大きさは30前後から大物はメートル級までですが、ゴムボートで一度大物が掛かって船がひっくり返りそうになって怖くなって慌ててラインを切ったことがありました。貪欲ですので、ルアーが水面を切って巻き取られている空中で飛びついてくるときもあります。他にも釣つれる湖は方々にある筈です。


晩秋のテレルジの細い川で入れ食いを経験したことがありますが、ルアーよりもイナゴが良かったと記憶してます。冬凍った川でドリルで穴を開けて葡萄虫や肉片で穴釣りをする と楽しい魚です。サイズは10−20センチが多いので氷上で急速冷凍したのをさっとから揚げにしてビールの摘みにして最高!!大いに楽しみました。釣り方はワカサギ公魚と同じくたらしたライン1−2号(直径0.1ミリ)で焚き火に当たりながら片手で上下してビビット来る魚信を聴きゆっくりウグイの顔が氷上に上がってくるのを待ちます。
まずはこの辺で、馬頭琴の調べを聴きながら、アルヒでも呑みながら一休みしましょう。 

日本モンゴル親善協会 常務理事   イトウ釣り研究家  田中